【数学】『論理』の重要性

今回は、数学の基礎の基礎であり、仕事や実生活にも役立つ 【論理】
について記述していこうと思います。

■論理

●論理とは

論理とは、合理的に物事を考えることです。 つまり、あるものごとが正しいと言えるかどうかを考える分野です。

例えば、
努力をすれば必ず成果が出る
という文は正しいかどうかということを考えます。

結論を言うと、上の文は正しくありません
何故なら、努力をしても失敗してしまうこともあるからです。

このようなことを、考えていく分野となっております。

●命題

命題とは、判断を言語化したもので、真(true)または偽(false)という性質を持ちます。
「論理とは」で挙げた、
努力をすれば必ず成果が出る
も命題の1つです。
これ以降は、数学に関するものを主に扱っていきます。

●逆・裏・対偶

命題: P \Rightarrow Q があるとします。
この時、 Q \Rightarrow P を、元の命題の
 \neg P \Rightarrow \neg Q
 \neg Q \Rightarrow \neg P 対偶といいます。
 \neg PはPの否定、つまりPでないという意味です
例:
 a > 0 かつ  b > 0  \Rightarrow ab > 0
という命題があるとき、
 ab > 0 \Rightarrow  a > 0 かつ  b > 0は、元の命題の
  a \le 0 または   b \le 0  \Rightarrow ab \le 0
は、元の命題の
 ab \le 0 \Rightarrow  a \le 0 または  b \le 0は、元の命題の対偶ということです。

●元の命題が真ならば、対偶も真である

元の命題と、その逆・裏・対偶との関係は以下の図のようになっています。

逆・裏・対偶
逆・裏・対偶

先ほどの命題を例に取ると、
元の命題: a > 0 かつ  b > 0  \Rightarrow ab > 0
は、真です。
しかし、この命題の逆である、
 ab > 0 \Rightarrow  a > 0 かつ  b > 0となります。
例えば、 a = -2 かつ  b = -3のとき、 ab = (-2)\times (-3) = 5(>0) となり、 ab > 0となる条件が必ずしも a > 0 かつ  b > 0だけではないからです。
このように、命題が成り立たない例のことを反例といいます。
裏:  a \le 0 または   b \le 0  \Rightarrow ab \le 0 についても、
逆の反例として挙げたように、  a \le 0  b \le 0の両方が成り立つとき、 ab \ge 0が成り立ってしまうためとなります。

では、対偶はどうでしょうか?
対偶は ab \le 0 \Rightarrow  a \le 0 または  b \le 0ですが、
 ab \le 0となるためには a,  bのどちらか一方のみが0以下になる必要があるため、となり、元の命題の真偽と一致します。

●なぜ元の命題と、その対偶の真偽は一致するか

実は、元の命題 P \Rightarrow Q であるとき、以下のような図になっております。

P⇒Q
P⇒Q

 Qという集合の中に Pという集合がすっぽり含まれている状況になっています。
この状況がであるとすると、 Qという集合に入れない以上、 Pという集合にも入れないので、対偶もになります。

必要十分条件

 P \Rightarrow Q であるとき、
 P Qであるための十分条件 Q Pであるための必要条件であるといいます。
また、 P \Rightarrow Q であり、 Q \Rightarrow P であるとき、 P(Q) Q(P)であるための必要十分条件、または P Q同値であるといい、 P \Leftrightarrow Q と書きます。

●仕事や実生活への応用

以上のような考え方は、仕事や実生活にも応用できます。
例えば、
成果を出すためには、コミュニケーション能力が必要だ
という命題を上司や先輩から言われたときに、
成果を出す  \Rightarrow コミュニケーション能力
という式が成り立ちます。
しかし、仕事の目的は「成果を出す」ことなので、「成果を出す」ことが必要条件である必要もあります。
コミュニケーション能力があれば必ず成果が出る(コミュニケーション能力  \Rightarrow 成果を出す)とは限らず、その成果に必要な他のスキルも同時に身に着けることによって、成果につながる十分条件が揃うようになります。

●まとめ

いかがでしょうか?今回解説した論理とこの後で解説する集合は、数学を学習する上でも、仕事をする上でもものすごく重要なものなので、是非参考にして、使ってみていただけると幸いです。 何かありましたら、コメント欄にお願いします。